では、龍馬は犬猿の仲と言われた薩摩と長州をどうやって結び付けたのか?

当時、過激派の多い長州藩はいまにも幕府によって壊滅させられる寸前にありました。

しかも幕府が諸外国の貿易商に、長州藩に武器を売ることを禁止していたので、長州藩は幕府との戦いに備えるための、小銃や大砲といった兵器を外国から買い揃えることが出来ませんでした。

そこで、龍馬のとった策は、龍馬が設立していた貿易会社「亀山社中(かめやましゃちゅう)」によって薩長両藩の間に入り、長州藩のために薩摩藩名義で外国から武器を買う、という奇策でした。

さらに、米が豊富な長州藩から、米が不足している薩摩藩に無償で米を送ることを決定させました。
お互いの“利”によって、持ちつ持たれつの関係を構築し、薩長間のわだかまりを払拭しようとしたのです。


これが、龍馬のおこなった観念や思想ではなく、利をもって人の感情をゆさぶっていく人心掌握術です。
当時、この発想をもって倒幕運動を進めたのは龍馬ただ一人だといわれています。面白いですよね。



最近盛んに行なわれているM&Aや企業間提携も、敵対的買収でなければ、お互いの利益を考えて動いていきます。
自分の利を得るためには、同時に相手の利を考える。WIN-WINの関係とはまさにこのことですね。

それを龍馬は幕末の時代に知っていたのです。



そして、加えて人を動かすのに必要なのは“情熱”なのでしょう。


薩長同盟が締結するさい、両藩とも長年のいがみ合いやわだかまりによって、双方がけん制し合い同盟締結の話を切り出そうとしませんでした。そこに、発起人ともいえる龍馬が現れ、薩長同盟がまだ締結されていないことに驚き、憤りを感じ、
西郷隆盛、桂小五郎に対して、

「薩長同盟は、薩摩や長州だけの一藩の問題ではない。これは日本全体の問題である」

と情熱をこめて熱弁をふるったと言われています。

この龍馬の言葉に心を動かされ、慶応2(1866)年1月21日、とうとう「薩長同盟」が締結されました。


“人を動かし、時代を動かした”龍馬のやり方は、相手の立場に立ち、相手の利を考え、情熱をもって仕事をしたことにあると思います。
事実、武力ではなく利害によって、強大な力を持っていた薩摩・長州の両藩の手引き合わせ、最後は情熱をもって説得し、不可能だと言われた大偉業を成し遂げました。

人は奇策と呼びますが、よく考えてみると人間心理をついた合理的な手法です。
機をうかがい、堅実な姿勢と情熱で事を成す。
それが龍馬の魅力であり、人を動かせたコツではないでしょうか?


営業職の方やマネージメント業をやっている方にとっては、人を動かすコツのヒントがあると思います。


改めて11月15日は、坂本龍馬の命日です。
先人の残してくれたメッセージを、受け取れるだけ受け取って未来に繋げていきたいものです。




※コンサルタントの『独り言』は執筆者の個人的見解であり、株式会社アイソルートの公式見解を示すものではありません。

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